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「はじめての材料力学 第2版」新版のご紹介
小山信次・鈴木幸三著、森北出版
 「はじめての材料力学」の初版は1997年4月に発行され、第2版は2005年3月に発行されています。 初版以来、多くの方から教科書として採用されてきました。
 今回の新装版では、皆様からいただいた貴重なご意見を反映しまして、より見やすい図面と詳細な練習問題の解答に配慮いたしました。
 なお、付録の工学でよく使う数学公式と金属の構造と変形はホームページの「はじめての材料力学」サポートページに移動しました。

 
旧版 「はじめての材料力学 第2版」のご紹介
小山信次・鈴木幸三著、森北出版 2200円
  「はじめての材料力学」の初版は1997年4月に発行され、第2版は2005年3月に発行されています。 初版以来、多くの方から教科書として採用されてきました。材料の変形のわかりやすい説明のために,材料科学の基礎的知識を取り入れたことが従来の教科書とは異なる特徴です。
 以下、本書の特徴の一部を記します。
 
@ 材料科学の知識を取り入れ、応力やひずみの物理的意味が理解しやすいように
  学生時代,いきなり「せん断応力」の言葉が出てきて困惑しました。理解してしまえば何と言うことはないのですが。この説明の場合,結晶格子の変形において,引張とせん断を説明すると良く理解しやすいと考えます。また、「内力」を理解することも最初はわかりにくいと思います。本来は、一対の原子の間に働くポテンシャルエネルギーと力の説明が必要になってきます。材料の強さと破壊のページをご覧下さい。一般の材料力学の教科書は、「弾性論」等の理論解析を専門とする著者のものが多く、数式中心になります。実験を中心とする研究者の著書は余り多くありません。私は、修士課程では、楕円孔先端領域にき裂がある場合の応力分布の解析と解析解のFORTRANによる数値計算を経験し、博士課程では低サイクル疲労の実験を経験しました。
 
A 材料科学の知識で変形の様相を詳細に述べ、その後式を導く、この過程を詳細に記述
 外力が材料に作用する結果、材料内部に抵抗力が生じます。この抵抗力の分布と大きさを調べ、外力との釣り合いをとり、外力と釣り合う抵抗力、応力の大きさや分布状況を求めることになります。この式には材料の形状と寸法が入ります。外力の作用線が異なる場合(ねじりや曲げ)はモーメントの釣り合いも必要になります。
 
B 効率的で間違いのない計算方法を提示    こちらもご覧下さい
 「はじめての材料力学」の例題1.1で解説している一部です。詳細は本書をご覧下さい。
与えられた数値は文字変数に置き換える。このとき,何をどのような変数にするのか明記する。教科書等で慣例的に使われている文字を使用。例えば、面積A,荷重Pなど
公式に当てはめ、"求める量="形式に変形し、求める量を文字変数で表す。
代入する前に、 ○.○○○×10゚の形に単位を考慮して変形する。
【例】
 l = 5 m = 5×103 mm, d = 2.54 p =2.54×10mm, P = 50 kN=5×104 N, Δl = 2.4 mmを代入する。
 長さは[mm],荷重は[N] で計算すると、1[N/mm2]→1[MPa]となり、単位変換の必要が無くなり、図面はmmで表示するので整合性も良くなります。
 
仮数部と指数部は別々に計算する。仮数部を電卓に入力し計算する。指数部分は暗算で計算する。計算結果を直接,(仮数部)×(指数部)の形式で書く。電卓に入力する入力回数と入力ミスが少なくなるとともに,仮数部どうしを暗算で計算することにより、おおよその値が推定でき、計算結果が正しいかどうかもわかります。学生さんの回答を見てますと、"0"の電卓への入力回数の間違いをよく見かけます。この方法ですとこの間違いも防止できます。
 
 実際に設計の際、強度計算をする場合、間違いは許されませんので、計算式を追って間違いがないことを数回確認します。途中の計算を省略しすぎると確認の際、最初から計算することになり効率が悪くなります。手計算を行う場合は、どこまで書かなければならないかは経験を積まざるを得ません。例題ではこの辺も配慮してあります。
   
C 多くの例題に、値のみ変更した同種の問題(RETRY)と例題と同じ式を用いて求める量を変えた応用問題(APPLI)を追加
 解答の記述は、計算結果を得ればよいだけでなく、また、単なる数式の羅列ではなく、文章として論理的に記述すべきであるので、例題の記述を参考にして解答を作成することにより、これに習熟し、論理的な解法の記述を習慣的にしていただきたい意図も含んでいます。
 
D インターネットで「はじめての材料力学」サポートページ
 【RETRY】と【APPLI】の解答例、材料力学でよく使う数学や力学の解説、材料力学と関係する実験的事項、材料力学の強度計算だけでは安全ではない場合があることの解説、破損事故例など教科書をサポート。
 

「はじめての材料力学 第2版」 新装版
目 次

第1章 応力とひずみ
  1.1 材料力学について
1.2 材料にかかる荷重:荷重の伝達
1.3 材料の変形
1.4 引張・圧縮応力とひずみ
1.5 せん断変形の場合の応力とひずみ
1.6 断面の位置による応力の変化
1.7 荷重の種類
練習問題1
  
第2章 応力とひずみの関係  
  2.1 フックの法則
2.2 応力−ひずみ曲線
2.3 応力ーひずみ曲線の形
2.4 使用応力と安全係数
2.5 ポアソン比
練習問題2
 
第3章 いろいろな要因による応力の発生
  3.1 熱  応  力     
3.2 自重による応力
3.3 衝撃荷重によって生じる応力
3.4 応 力 巣 中
3.5 内圧による応力の発生
練習問題3
 
第4章 ね  じ  り
  4.1 ねじりによる丸軸の変形
4.2 動力を伝達する軸の場合
練習問題4
 
第5章 曲 げ
  5.1 はり 
5.2 はりの種類と支持の方法
5.3 反力の計算
5.4 せん断力Vxと曲げモーメントMx
5.5 せん断力線図と曲げモーメント線図
5.6 等分布荷重,両端支持ばりの場合
5.7 集中荷重,片持ちばりの場合
5.8 等分布荷重,片持ちばりの場合
練習問題5
 
第6章 はりに生じる応力とたわみ
  6.1 はりの変形
6.2 曲げによって生じる応力とひずみ
6.3 曲げモーメントと応力
6.4 図心と断面2次モーメントIの計算
6.5 断面係数Zの意味
6.6 はりのいろいろな断面形状
6.7 はりのたわみ
練習問題6
 
第7章 組合せ荷重によって生じる応力
  7.1 組合せ荷重の例
7.2 一般の組合せ応力の場合
7.3 曲げとねじりの組合せ荷重の場合
7.4 モールの応力円
練習問題7
 
第8章 座 屈 
  8.1 座    屈
8.2 オイラーの公式
8.3 その他の柱の場合
8.4 オイラー荷重と降伏応力の関係
8.5 長柱の座屈に関するランキンの実験式
練習問題8
 
第9章 材料試験
  9.1 引張試験
9.2 引張試験の方法
9.3 荷重‐伸び曲線
9.4 応力‐ひずみ曲線
9.5 塑性変形
9.6 硬さ試験
9.7 衝撃試験
9.8 材料の強さと破壊について
9.9 温度の変化による材料の性質の変化
練習問題9
 
練習問題解答 第1章〜第9章
付 録  単位について、よく使う定数
索 引
コラム欄
  ◆ コンピュータによる設計計算
◆ 力の合成と分解
◆ せん断応力とポアソン効果の確認
◆ 力とモーメントについて
◆ モーメントの効果について
◆ 転位


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