「はじめての材料力学」サポートページ > マイクロメーターの構造と測定方法
この資料は3年生の引張試験の実験の時に学生に配布したものです。 |
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■ | マイクロメーターの構造と分解能 | |||||||||
● | マイクロメーターの構造 図1にマイクロメーターの概略を示す。U型の枠の一端にアンビル(anvil)が固定し、測定物が当たる。スピンドル(spindle)は、シンブル(thimble)を回転させることにより移動し、測定物に接触する。測定圧を一定にするためにシンブルの右端にラチェットストップ(rathed stop)がある。測定の際に、これを持って回転させると測定物にスピンドルが接触し、ある程度の圧力に達すると空回りし、スピンドルは移動しないようになっている。通常のマイクロメーターの測定範囲は25mm、最小目盛りは1/100mmである。最近はディジタルの表示器付きのものもある。 |
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● | 軸に平行な目盛りの設定 固定軸の基準線上に上向きの1mm間隔の目盛りとこれらの目盛りの中間に下向きに1mm間隔の目盛り、上下合わせてて0.5mm間隔の目盛りがある。 |
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● | 回転部の目盛りの設定 回転部には1周 50等分の目盛りが目盛られている |
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● | 送り部ねじのピッチ(シンブル1回転でスピンドルが進む距離)は 0.5mm 回転部最小目盛りである1目盛りの回転では、1/50回転であるので、測定部のスピンドルの移動距離は 0.5mm×(1/50) = 0.01mm 回転部目分量で識別できる大きさは、人間の目は最小目盛りの1/10まで識別可能であるので、回転部最小目盛りの更に1/10であり、この回転量は 測定部スピンドルの移動距離 0.01mm×(1/10) = 0.001mm に相当する。 【マイクロメーターでは 0.001mmまで測定可能】 |
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図1 マイクロメーターの目盛り |
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■ | 測定例として、12mmの丸棒引張試験片の直径を測定する場合を取り上げて説明します。 |
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(1). | 試験片直径が12mmより大きいとき、 図2(a) 固定軸の基準線より、シンブル0の位置が下,固定軸の12mm目盛りがわずか見える。 固定軸の読みは、12mm、基準線が指す回転部の目盛りの値は、3.4 ( 0.034mm相当、目分量は0.4で 0.004mmに相当) 。これらの値を加えて 12.000 + 0.034 12.034 測定値は、12.034 mmとなる。 ・副尺がある場合 副尺の線とシンブルのメモリが一致するところが目分量の読みに相当 図2(b)では,副尺4がシンブルの目盛りと一致 0.004 mm |
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(2). | 試験片直径が12mmよ小さいとき 図2(c) 固定軸の基準線より、シンブルの0の位置が上,12mm目盛りが見えない。 固定軸の読みは、 11.5mm 基準線が指す回転部の目盛りの値は、44.4 (目分量は0.4 0.004mm ) 11.500 + 0.444 11.944 |
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(3). | 0点の補正 測定前に、測定物を置かないでシンブルを回し、反対側(anvil)に接触させる。このとき、図1のrathed stop部を持って回転させると接触したとき、強く締め付けすぎないように空回りするようになっている。速く回転させて反動を付けないように注意すべきである。ずれを無くすレンチのような工具が付属しているので、これを用いて0点のずれを解消する。 測定後に、0点を確認する習慣をつけた方がよい。 |
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■ | 測定時の注意事項 | |||||||||
図3は丸棒の直径を測定する場合ですが、垂直にマイクロメーターを当てないと誤差が出ます。マイクロメーターを専用のホルダーに固定して直角に当たっているか見えるようにすれば確実です。また、測定対象物にスピンドルを接触させるとき、ラチェットストップを回して接触したら空回りさせます。この時、回転させる速度を一定にさせることが重要です。速度が速いと慣性でかなり締まります。測定対象物を置かないで、回転速度を変えてアンビルとスピンドルを接触させますと、回転速度により、0点がずれることが解ります。 *目盛りを読むときは常に、読もうとする目盛りの真上から。斜めですと誤差がでます。 |
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図3 測定時の注意 |
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■ | ノギス等、副尺がついている場合 | |||||||||
@副尺の0点が指す主尺の値を読む。図4の場合12。A次に、副尺と主尺の目盛りが一致する副尺の値を読む。図では5.5の値。この値が0.1mmの位の値に相当する。測定値は、12+0.55
= 12.55mmとなる。 |
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図4 ノギスの副尺 | ||||||||||
■ | ノギスの副尺について | |||||||||
ノギスの主尺は、1mm間隔の目盛りが付いている。副尺(バーニヤ)の長さは19mmで20目盛りが記されている。図で説明したように、主尺と一致する副尺の目盛りの読みが1mm以下の値となる。 何故このようになるのかを説明します。図5のように1mmの最小目盛り、長さ10mmの主尺を考えます。副尺は長さ9mmで10等分の目盛りを有します。副尺1目盛りは、0.9mmの長さになります。主尺と副尺の0点を合わせると、主尺の1目盛目と副尺の1目盛目との間には、0.1mmずつのずれが生じ、副尺の値が増えるとずれ量は ずれ量mm=副尺の目盛り×0.1mm となります。そして、副尺10目盛りでずれ量が1mmとなり、主尺目盛り9mmと副尺10目盛りが一致します。 |
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図5 |
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次に、図6のように、副尺の目盛り0を0.4mmタだけ右にずらす位置にします。副尺の目盛り間隔は0.9mmであるので主尺と副尺の1の目盛りは0.3mm、2の目盛りは0.2mm、3の目盛りは0.1mmのずれを生じ、4の目盛りは0mmで一致します。5の目盛りは、0.1mm,6の目盛りは0.2mmとずれは増加してゆきます。更に詳細を図7に示します。 | ||||||||||
図6 |
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けっきょく、副尺の0点が示す値、主尺の読みの値は、副尺の目盛りと主尺の目盛りが一致する4、すなわち、0.4mmと言うことになります。他の値についても同様です。 一般のノギスは、副尺の長さは19mm、20目盛りを有しますので、1/20mm,0.05mmまで読むことができます。0.05の分解能になります。 |
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図7 |
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