【問題5】           
長さlの銅管を鋼製のボルトが貫通して、左端のナットが温度T1で銅管にすき間無く接触している。その後、ナットをn回転して銅管を締める。
(1). この時、ボルトと銅管に生ずる応力σsとσcを求める。ただし、ボルトのピッチs mm ボルトと銅管のヤング係数Es Ecとする。ボルトと銅管の断面積As、Ac
(2). 温度がΔT上昇したとき、ボルトと銅管に生ずる応力σsとσcを求める。ただし、ボルトと銅管の線膨張係数αs, αcとする。
 
図1
 

図2
【解】 (1). ナットをn回転して銅管を締めたとき、銅管は圧縮され、圧縮荷重Pcが作用する。 ボルトは引張荷重Psを受ける。この荷重は釣り合っている。
      Ps=Pc     (1)
締め付けたとき、ボルトの長さと銅管の長さは等しいので、銅管の変形量δc、ボルトの変形量δs、ナットの移動量はsnとすると
           (2)
となる。
フックの法則から
     
 
      
 σcは圧縮応力で(7)式となる。
      
 σsは引張応力で(8)式となる。
       
 
(2). 温度上昇ΔTによる伸びは、αlΔTとなり、σsは引張応力、σcは圧縮応力となるので伸びδはそれぞれ
       
 
       
 となる。
       
 となるので応力は
       
となる。