問題19
 
【問題】 長さLの片持ちばりに自由端からaの範囲に単位長さ当たりwの等分布荷重が作用するとき、せん断力Vx, 曲げモーメントMxを求め、せん断力図と 曲げモーメント図を描く。

図1 
 
【解】 0≦x≦aのとき
 図2のように。等分布荷重の合力はwx, この合力が、x/2の位置に作用すると考えることができる(力学的に等価) 。xの部分のはりを下にずらすように働くので−。曲げモーメントはwx×(x/2),符号は、この合力は、はりを上に凸のように変形させるので−である。 せん断力Vx, 曲げモーメントMxは式(1)のようになる。
 
*分布荷重の場合は、合力Rを求め(単位長さ当たりの荷重×分布範囲)、集中荷重である合力Rが、今考えている分布範囲の中央に作用するとして計算する。分布荷重と合力Rは、力の大きさが等しい(R=wx)、作用するモーメントの大きさが等しい(wx2/2)ので力の効果は等しい、力学的に等価であるという。力Fをx方向成分Fx,y方向成分Fyに分解して、Fが作用した場合と、Fx,Fyが同時に作用した場合と力の効果が変わらない、力学的に等価であるのと同じである。計算しやすいようにするためにこのような考え方を導入する。
a≦x≦Lのとき
 図3のように、a/2の距離に合力waが作用すると置き換えて考える。せん断力は−wa、xの位置から合力の作用点までの距離は(x−a/2)であるので、せん断力Vx, 曲げモーメントMxは(2)式のようになる。
 
 x=a、Lにおけるせん断力Vx, 曲げモーメントMxの値を求め、せん断力図(SFD)と 曲げモーメント図(BFD)を描くと図4のようになる。
       
図2 図3


 
図4 せん断力図(SFD)と 曲げモーメント図(BFD)
  
 
(a) xのはりの部分をPは上に持ち上げるように働く  (b) xのはりの部分を、Pは下に下げるように働く 
図5 せん断力Vxの符号
  
(a) Pは、梁を下に凸に変形させる  (b) (a) Pは、梁を上凸に変形させる 
図6  曲げモーメントMxの符号