シックハウス症候群

 

 建材から発生する化学物質は室内を汚染し、これが原因で生ずるシックハウス症候群が大きな社会問題となっています。現在、約500万人程度の患者がおり(H12.5.7 朝日新聞)、何らかの影響を受けている人は10人に1人はいると推定されています。建築基準法の第一条 目的には
 
 「この法律は建築物の敷地、構造、設備及び用途に関する最低の基準を定めて、国民の生命、健康及び財産の保護を図り、もって公共の福祉の増進に資することを目的とする。
 
と書かれています。シックハウス症候群を発症した場合は建築基準法に違反しているのは明らかですが、しかし、シックハウスと有害化学物質との因果関係が医学的に明らかにされていない場合が多く、裁判になって患者側が勝訴する場合が少ないのが実情です。
 
 建材から発生する有害な化学物質に起因するシックハウス症候群は、新築された住宅やリフォームした住居に入居したときに生ずる頭痛、吐き気、めまいなどの症状がでる低濃度中毒症状であり、このほか、すでに存在する疾患に対して化学物質が悪化原因として作用する場合です。この中で最も深刻な化学物質過敏症は、頭痛、不眠、下痢、視力障害、めまい、筋肉痛、不整脈、皮膚炎、ぜん息などさまざまな器官に対する傷害として現れます。化学物質過敏症は,化学物質に大量もしくは微量に長期暴露したときに生ずる化学物質に対する過敏反応であり、生活をするためには周囲に存在する化学物質をすべて排除しなければならなくなり、外出も困難な状態になります。このような患者が約100万人いると推定されています。
 
 約500万人程度のシックハウス症候群患者、約100万人の化学物質過敏症の患者がいるにもかかわらず、あまり問題になっていないのは、シックハウス症候群に関する認知度が低いことに問題があります。ホタテ貝殻の有効利用の研究を始めてから、シックハウス症候群患者から相談を受ける機会が多くなりました。私自身もこの研究を始めてこのシックハウス症候群の悲惨さを初めて知りました。最近相談を受けた例ですが、1年数ヶ月前に新築し、シックハウス症候群になりすぐ、実家に移らざるを得なくなってしまい、新居の改修を考えて、その方法を探しているうちにホタテ貝殻の壁材「チャフウォール」を知り、私のところに連絡があり、いろいろ話しました。施工した工務店との話では「臭いはしない」など、解決にならなかったようです。私も訪問させていただきましたが、壁紙からと思われる臭いは相当なものでした。公的に相談する機関もないのも確かで、有害化学物質の測定も20万円以上かかったとのことです。気軽に測定を依頼できる機関も地方によってかなり状況は異なります。
 一生の夢をかけてマイホームを持ち、悲惨な結果にならないためにも、これから家を持とうとする方は現状を理解するために情報を得て、工務店の方と対等にシックハウス対策について意見交換をできる知識は必要と思っています。別ページにも書きましたように、普段使っている日用品に含まれている有害化学物質の対処も同じ事が言えるかと思います。残念ながら、「自分の身は自分で守る必要がある」と感じています。
  
  「チャフウォール」はホルムアルデヒド等のシックハウス症候群で問題になっている有害化学物質を軽減分解しますが、一番の特徴は、有害化学物質を放散しない自然素材であることです。シックハウスで問題になっている家屋に改良のために施工した場合にどの程度軽減するかまだデータが不足で、良い方向に向かうことは確かですが、使用材料からの有害化学物質放散量も不明確な場合が多いため、定量的な結果は断言できません。粗悪な材料を使い、大量の有害化学物質を放散している場合は、「チャフウォール」を使っても軽減不可能な場合はあるかと思われます。
 
 シックハウス症候群について多くの方に知っていただくため、別ページで解説いたします。