骨付き膝蓋腱の脛骨側初期固定強度に関する実験的検討
ここでは、「骨付き膝蓋腱の脛骨側初期固定強度に関する実験的検討」の実験方法について述べます。ここでの目的はAll-Inside 法 の再建手術の方法を検証して確立することです。結果の詳細は別ページをご覧下さい
(1).Endoscopic法 経時的に骨トンネルが拡大 (2) All-Inside 法 再建靱帯を本来の前十字靱帯(ACL)の解剖学的長さに一致させるためBPを翻転、
Fig.1 膝前十字靱帯(ACL)再建手術固定方法
■試験片の準備 試験片は弘前大学医学部整形外科で製作
 食肉用若豚の膝関節部にある中央部幅8mmの膝蓋腱である.膝蓋腱は、脛骨より直径13mm,長さ15mmの大きさの骨片(Bone plug, BP)を残して切離した骨付き膝蓋腱(BTB)である
Fig.2 脛骨よりBone plugを切離 Fig.3 切離 した骨付き膝蓋腱
Fig.4 骨トンネル作成 Fig. 5 脛骨にBone plugを挿入


Fig. 6 スクリュー刺入
 
 ■ 6グループの試験片を準備


試験片側面図


骨付き膝蓋腱(BTB)
Fig. 7 Group-A  
BPは翻転せず、スクリュ−は関節外よりBPの海綿骨側に刺入し固定




試験片側面図


翻転したBTB
Fig. 8 Group-B
BPの腱付着部が膝蓋腱の後面に接するように翻転し、 スクリュ−はBPの海綿骨側に刺入し固定




試験片側面図
Fig. 9 Group-C
BPの海綿骨側が膝蓋腱に接するように翻転し,スクリュ−はBPの腱付着部側面に 刺入し固定




試験片側面図

φ2mmの骨孔を開けたbone plug
Fig. 9 Group-D
BPは翻転せず、BPに縫合糸を通し、脛骨に固定したスクリュ−で締結固定




試験片側面図
Fig. 10 Group-E
BPは翻転せず、スクリュ−はBPの海綿骨側に刺入し固定




試験片側面図
Fig. 11 Group-F
BPは翻転せず、スクリュ−はBPの腱付着部側面に刺入し固定



■試験片の包埋固定
Fig.12 アンカーボルト打ち込み Fig.13 エポキシ樹脂で包埋固定
 
■試験片取り付け装置の設計


Fig.14 設計した試験片取り付け装置
Fig.15 試験片掴み具 Fig.16 掴み具に試験片固定


Fig.17 5kNのINSTRON引張試験機に試験片取り付け装置を組み込み
 
■実験結果の写真
Fig.18骨折により引き抜かれたbone plug部 Group-A Fig.19 腱繊維付着部の剥離が生じたbone plug部 Group-B
Fig.20腱移行部での断裂  Group-B
 
Fig.21 腱移行部の断裂が生じた脛骨部 Group-C
 
Fig.22腱移行部での断裂  Group-C
 
Fig.23 縫合糸が断裂し、bone plugの引き抜けGroup-D
 
Fig.24縫合糸破断後のBone plug部  Group-D Fig.25負荷により骨折が生じ、Bone plugが
引き抜かれた脛骨部  Group-E
Fig.26 Bone plug固定部より骨折が生じた脛骨部 Group-F

■膝蓋骨と脛骨を金型に入れ、エポキシ樹脂で包埋固定し、この部分を試験片掴み部とした

Fig.27 金型A

Fig.28 金型B
Fig.29 Fig.30
Fig.31 膝蓋骨と脛骨を金型に入れ、エポキシ樹脂で包埋固定
1. @の軸に対して直角に切断し、基準面を得る。
2. 下面の平板に対して骨の軸が水平になるように添え木などで固定。ボルトで金型に固定できるときは不要
3. 金型はクランプで下面の平板に固定。
4. 垂直に立てセメントを流し込む
5. セメントが固化したら他方の固定を行う。
*共同研究者  弘前大学医学部整形外科岡村良久教授,同じく同科、津田英一氏
この実験は、八戸工業大学エネルギー工学科、「骨付き膝蓋腱の頸骨側初期固定強度に関する実験的検討 」、田子勉、坪池和寛君の平成8年度卒業論文の一部です。