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3.5 基本状態図U 全率可溶固溶形
◆液体状態でも固体状態でも完全に溶け合う Ni-Cu合金の場合
◆ao Cu30%
 1370℃で液相から結晶が晶出(CuとNiの固溶体),1330℃で完全に凝固完了し均一固体に
  ao Cu30% 凝固区間  1370〜1330℃,液相+固相
 
  領域T:液相  領域U: 液相+固相  領域V: 固相
  ABのT側: 液相線    ABのV側: 固相線

 
図1
3.6 基本状態図V  液体状態で一部分溶け合う
 
液体を混合するとき
 
 (1).いかなる割合でも全く溶け合わない    【例】水と油
 (2).いかなる割合でも溶け合う         【例】水とアルコール
 (3).ある割合までは溶け合い,それ以上は溶けない  【例】水とエーテル
◆水に少しずつ,エーテルを加える場合


図2
◆エーテルに少しずつ,水を加える場合

 
図3

 

 
(a) 相互溶解度曲線 (b)固体内の相互溶解度曲線

図4
◆ 図4(a) の温度 to℃における水とエーテルの混合
 
・水にエーテルを加えるとき, P点に達すると飽和,AP間の割合では完全に溶け合う
・エーテルに水を加えるとき、 r点に達すると飽和,Br間,割合では完全に溶け合う
・温度を変えて同様な実験,図4(a) の曲線が得られる
・臨界点以上では,割合に関係なく完全に溶け合う
・pr間のどの組成の混合溶液でも上下2液層になり、1つの層の液体は常にp点の組成の飽和溶液であり、もう一つの層の液体は常にr点の組成の飽和溶液で、これら以外の組成の溶液はこの温度では生じない。ただ、溶液全体の平均組成が違うと、両飽和溶液の量の割合が異なってくるだけである。
 
 全体平均の組成moのとき
  
  
 
 で示され、2つの飽和溶液、共役溶液という、
 
◆図4(b) 固体内の相互溶解度曲線
 
 高温から冷却して飽和状態に達して生ずる第二の固溶体は、第一の固溶体の中に微細な形で分散して生ずる。
 合金に対して有効。冷却して別の固体が固体の中に生ずる現象を析出と言う。
 
■基本状態図の組み合わせ
 

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