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総合科学技術会議 第23回知的財産戦略専門調査会
平成17年3月16日 中央合同庁舎4号館 共用第一特別会議室 東京都千代田区霞ヶ関

      研究投資が生かされていない(読売新聞2005.2.22)

 日本は、科学技術創造立国を目標に掲げ、第二期計画の五年間で20兆円以上もの巨額予算を投
じてきたが十分に生かされていないとの批判がある。研究論文が世界で引用されている回数や特
許数と言った成果で調べると、日本は米国の半分の研究費を投じたが、成果は四分の一、英仏独
の平均値を比べてみても、研究費は二倍なのに成果は1.2倍である(読売新聞2005.2.22)。
 日本の場合、研究費が有効に生かされていないことが課題となっている。

 「ホタテ貝殻の有効利用」に関する産学共同研究が、天然資源を利用した研究の代表例として候補に挙がり、2つのうちの一つに選ばれた。八戸工業大学での内閣府によるヒアリングの後、第23回知的財産戦略専門調査会に招聘され、プレゼンテーションを行った。この時の資料は内閣府のホームページで公開されている。

 http://www8.cao.go.jp/cstp/tyousakai/ip/haihu23/haihu-si23.html
会議の議事録は下記のページで公開されている。
 http://www8.cao.go.jp/cstp/tyousakai/ip/haihu24/siryo4.pdf
 
  
  

 国の総合科学技術会議は、小泉首相が議長を務め、総合的・基本的な科学技術製作の企画立案と総合調整を行う。議員は関係閣僚と有識者議員14名からなる。下部組織に各種専門部会があり、その中の第23回知的財産戦略専門調査会(専門委員16名)でプレゼンテーションを行った。

 
 「ホタテ貝殻の有効利用」に関する産学共同研究の成果として,申請中も含めて,30件以上の特許がある。各委員から,「公的な補助を受けずに成功したのは?」,「良いパートナーの企業を見つけるのがうまくできた秘訣は?」,「知的所有権に結びつけた秘訣は何なのか」等の質問など,研究成果に対して賞賛する見解が多くあった。
 
 プレゼンテーションの内容
 「ホタテ貝殻の有効利用」に関する産学共同研究の概要
  1.プロジェクトの概要
  2.研究開発活動等について
  3. 出願から権利化までのプロセス
  4. 権利活用の考え方
  5. プロジェクトの研究・知財活動における課題等
  6.プロジェクトで実用化と知財化に成功した要因

 知的財産戦略専門調査会は、「我が国全体として、研究開発投資の拡充に対応した成果の創出と確保を図り、国際競争力の強化に結びつけるため、知的財産の保護と活用に関する総合的な戦略について調査、検討を行う」のが目的です。

第23回知的財産戦略専門調査会,配布資料の一部から


資料の一部から抜粋

6 プロジェクトで実用化と知財化に成功した要因
6.1 産学の共通認識のもと、研究目的が明確
 実用化の結果、研究成果が社会に役立つという共通認識は研究意欲の点で重要 。
6.2 効率的な産学協同研究
 大学では論文数で評価されるのが一般的であるが、「社会的なニーズに応える」「世界に通用する製品開発」「有害化学物質から人体の汚染防止」という共通認識のもとで、大学本来の役割である「研究成果の社会への還元」を重視し、基礎的な研究の論文より、応用研究に重点を置き、研究成果の実用化や特許取得を優先した。
6.3 ホタテ貝殻セラミックスの有する機能が多様で優れていること
 材料学的に見て、多機能を有することはまれで、すばらしい材料であること。このため、ローコストで身近な生活製品の開発が可能であり、多様なものに応用できる。既存品に付加する技術を開発すれば 多機能な製品に変えることができる。    ★他製品との差別化が可能。

総合科学技術会議の構成員

議長 小泉純一郎 内閣総理大臣
議員 細田博之 内閣官房長官
議員 棚橋泰文 科学技術政策担当大臣
議員 麻生太郎 総務大臣
議員 谷垣禎一 財務大臣
議員 中山成彬 文部科学大臣
議員 中川昭一 経済産業大臣
議員・会長 阿部 博之 東北大学名誉教授      
議員 薬師寺泰蔵 慶應義塾大学客員教授
議員 岸本 忠三 大阪大学客員教授
議員 拓殖 綾夫 元三菱重工業代表取締役・常務取締役
議員 黒田 玲子 東京大学教授
議員 松本 和子 早稲田大学理工学部教授
議員 吉野 浩行 本田技研工業(株)取締役相談役
議員 黒川 清 日本学術会議会長

知的財産戦略専門調査会:専門委員16名

秋元 浩 武田薬品工業株式会社常務取締役知的財産部長
荒井 寿光 内閣官房知的財産戦略推進事務局長
飯田 昭夫 弁理士
稲蔭 雅彦 慶應義塾大学環境情報学部教授
メディア・スタジオ株式会社代表取締役
井上由里子 神戸大学大学院法学研究科教授
澤井 敬史 NTTアドバンステクノロジィ株式会社知的財産事業本部長
竹岡八重子 弁理士
野間口 有 三菱電機株式会社執行役社長
原山 優子 東北大学大学院工学研究科教授
平田  正 発酵工業株式会社代表取締役会長
本田 圭子 株式会社東京大学TLO取締役
松重 和美 京都大学副学長(産学連携・知財担当)
三原 秀子 株式会社帝人知的財産センター代表取締役社長
森下 竜一 大阪大学大学院医学系研究科教授
アンジェスエムジー株式会社取締役
横山  浩 (独)産業技術総合研究所ナノテクノロジー研究部門長 
渡部 俊也 東京大学先端科学技術センター教授,知財学会事務局長
は会議の出席者

     
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